【事例】入居前と変わらぬ社会生活への参加が可能な、認知症患者のための「村」/ フランス

フランスでは、近年増加の一途を辿る認知症やアルツハイマー病患者に対する新たなアプローチとして「アルツハイマー村」を建設しています。広さ7ヘクタールの土地には商店や美容院、図書館などの施設があり、住民は村を自由に歩き回ることができるため、入居前と変わらぬ日常生活が可能。今後は2019年までに約120人の患者と、100人の住み込みも介護従事者、120人のボランティアスタッフが共に住む予定だそう。これにより、患者だけでなく、預ける家族や医療関係者の負担も軽減されることも期待されています。従来のような施設ではなく、「村」という形で新たな場をデザインすることで、課題解決を図る事例です。

認知症患者のための「村」フランスで誕生 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD

現代の高齢化社会で生じている問題の一つが、認知症患者の増加である。調査によると、2000年から2015年までの間に、認知症で亡くなった人の数は125%増加しており、アメリカでは高齢者の3人に1人が認知症により亡くなっているという。 また、それに伴い認知症患者向けの高齢者施設の需要も増加している。しかし、一般的な高齢者施設は「住居」というより無機質な「施設」という側面が大きく、あまり良いイメージを持たない人も多いかもしれない。 そんな中、デンマークの建築グループNord Architects社が、フランスの南西部に位置する街ダクスで、認知症を持つ高齢者向けに画期的な施設の建設を開始した。その名も「アルツハイマー村(Alzheimer's Village)」である。 Image via NORD Architects アルツハイマー村は、その名の通り認知症患者にとっての「村」のような役割を果たしていることが特徴だ。4つの住宅により構成される小区画が4つあり、それぞれの区画は自然豊かな小道によりつながれている。 さらに小道は村の中心へと通じており、そこには商店、美容院、図書館などの共有施設が設置される。入居者はこの村の中を自由に、安全に歩き回ることができ、入居前と変わらない日常生活をおくることができるのだ。また、介護職員や研究者の居住地域も村に組み込まれる予定だという。 Image via NORD Architects このデザインは、フランスの一般的な村の構造を模したものだ。「ほとんどの患者は、このような村から来ています。」設計を指揮するモーテン・グレゲスン氏は語る。「私たちは、彼らが生まれ育ったごく普通の街からかけ離れていない環境を作りたかった。地元の建築様式に基づいた、非施設的な雰囲気を作り出すことが大切なのです。」 自分が慣れ親しんできた環境と似たものに囲まれることで、入居者はスムーズに施設での生活に順応していくことができるという。さらに自然の多い環境が入居者に身体面・精神面でも良い影響を与え、より健康的な生活を送ることができることも期待されている。 Image via NORD Architects このような施設は数年前オランダで最初に考案され、現在ヨーロッパ諸国やアメリカでも広がりつつある。Nord

IDEAS FOR GOOD

0コメント

  • 1000 / 1000